為替スワップ取引とは

為替スワップ取引は直物と先物を同額で同時に行います。例えば、直物で1万ドルを買い、先物で1万ドルを売ります。そのため、為替スワップ取引は為替の変動要因ではありません。
直物は売買契約日から2営業日後に通貨の受け渡しがされます。先物はこの期間を過ぎて通貨の受け渡しがされます。

為替スワップの計算方法

為替スワップは直先スプレッドで計算します。直先スプレッドは通貨の金利差です。先物レートは直物レートに直先スプレッドを加減して計算します。直物レートは通常目にする為替レートです。先物レートは直物レートと通貨の金利差のふたつの要因で決まります。
直先スプレッドはディスカウント、プレミアムで表します。「金利の高い方の通貨は金利の低い方の通貨に対して先物でディスカウントである」「金利の低い方の通貨は金利の高い方の通貨に対して先物でプレミアムである」と表現します。為替スワップ市場の取引ではドルがディスカウントまたはプレミアムであるかを判断します。

ディスカウントの計算方法

ドルの金利が3%、円の金利が1%、1ドル100円の場合、1年後は1.03ドル101円です。1年後の先物為替レートは、1ドル単位に直すと1ドル98円です。ドルは円に対して先物で2%(2円)下落しています。これを「ドルは円に対して先物で2%(2円)のディスカウントである」といいます。

為替スワップのディスカウントの計算方法

プレミアムの計算方法

ドルの金利が1%、円の金利が3%、1ドル100円の場合、1年後は1.01ドル103円です。1年後の先物為替レートは、1ドル単位に直すと1ドル102円です。ドルは円に対して先物で2%(2円)上昇しています。これを「ドルは円に対して先物で2%(2円)のプレミアムである」といいます。

為替スワップのプレミアムの計算方法

為替スワップと裁定取引

為替スワップの直先スプレッドが金利差になっていない場合はどうなるのでしょうか?その場合、リスクを負わずに利益を上げることができるため、為替スワップ取引は増加します。これを裁定取引といいます。そして、利益が上がらなくなる水準まで直先スプレッドが変動します。その水準は理論的には通貨の金利差です。しかし、実際には金利差に一致しません。その理由は為替スワップ取引のコストや資金調達する際に会社の信用力を考慮する必要などがあるからです。
ドルの金利が3%、円の金利が1%、1ドル100円の場合、1年後の先物為替レートは理論的には1ドル98円です。実際の1年後の先物為替レートが97円だったとします。100ドルを金利3%で1年間借りて、為替スワップ取引をします。為替スワップ取引は、1ドル100円のドル売り円買いの直物と、1ドル97円のドル買い円売りの1年先物です。直物でドル売りをしたので100ドルは10,000円に変わります。これを金利1%で運用します。1年後にドル買い円売りの先物が行われ、円はドルに変わります。そして、借りたドルを金利3%とともに返済します。最終的には109円(1.09%)の利益を得ます。
為替スワップ取引をせずに10,000円を1%で運用すると100円(1%)の利益です。為替スワップ取引をした方が9円(0.09%)儲かります。

債権 債務
100ドルを借入
(金利3%)
100ドル 100ドル
100ドルの支払利息3ドルを為替予約
(1ドル97円)
100ドル 100ドル
直物の為替スワップ
(100ドルを1ドル100円で売却)
10,000円 100ドル
100円の運用利益
(金利1%)
10,100円 100ドル
先物の為替スワップ
(100ドルを1ドル97円で購入)
100ドルと400円 100ドル
支払利息分のドルを購入
(3ドルを1ドル97円で購入)
103ドルと109円 100ドル
ドルを利息と共に返済
(元本100ドル、利息3ドル)
109円 0

実際には為替スワップ取引は、取引日に元本の交換が行われ、返済期日に元本の返済と直先スプレッドの支払が行われます。通貨の金利の受け渡しを別々には行いません。

為替スワップ取引の流れ

外貨の調達と為替スワップ

外貨の調達は直物だけでできますが、為替リスクを負います。そのため、為替スワップ取引をします。例えば、日本の銀行がドルを1年間調達するとします。ドルの金利が3%、円の金利が1%です。まず、円を金利1%で借りて直物でドルを買います。同時にドル売り円買いの1年先物をします。円の支払金利も為替予約しておきます。為替スワップの期日に直先スプレッド2%を支払います。返済日に元本と円の金利1%を支払います。支払金利は合計で3%です。直先スプレッドが金利差の場合、ドルを現地で借り入れた場合と変わりません。
なぜ為替スワップ取引で外貨を調達する必要があるのでしょうか?それは市場金利よりも安く資金調達することで、直先スプレッドで裁定取引ができるからです。また、市場金利で資金調達できない銀行も為替スワップ取引をします。