ポイントアンドフィギュアチャートの書き方

ポイントアンドフィギュアチャート(Point & figure charts)は、小さな値動きを除去したチャートです。縦軸は価格、横軸は上昇中の期間または下落中の期間です。価格は日足の終値がよく使われます。ポイントアンドフィギュアチャートを書くには、まず値幅の単位である枠を決めます。1枠は、10pips、20pipsが一般的です。1pipsは、ドル円とクロス円が0.01(1銭)、その他の通貨ペアのほとんどが0.0001です。次に小さな値動きとみなす枠数を決めます。この枠数に1枠を足したものが転換枠数です。小さな値動きとみなす枠数は2、転換枠数は3が一般的です。これは2枠の上昇中または下落中の期間を除去します。例えば、1枠が10銭、転換枠数が3、ドル円の終値100から始めた場合、終値が100.2に上昇しても2枠の上昇中の期間なのでチャートには書きません。翌日に終値が100.3になった場合、3枠の上昇中の期間なのでチャートに書きます。上昇中の期間の枠は✕を、下落中の期間の枠は〇を書くのが一般的です。また、上昇期間の起算日の価格の枠には✕を書きません。下落期間の起算日の価格の枠も同様に、〇を書きません。上記の例では100の枠に何も書かず、100.1、100.2、100.3の枠に✕を書きます。1枠の範囲は、価格以上、価格+1枠の値幅未満です。例えば、ドル円の1枠10銭の終値100.05は、100の枠(100以上100.1未満)に入ります。ポイントアンドフィギュアチャートは、チャートパターンの把握、目標値の計算などによく使われます。ドル円の2019年5月から2019年6月中旬までの日足の終値の表、ポイントアンドフィギュアチャート(1枠10銭、3枠転換、終値)、日足チャートは下記の通りです。

ドル円の日足の終値
日付 終値
2019/05/01 111.38
2019/05/02 111.5
2019/05/03 111.09
2019/05/06 110.86
2019/05/07 110.24
2019/05/08 110.09
2019/05/09 109.76
2019/05/10 109.97
2019/05/13 109.3
2019/05/14 109.6
2019/05/15 109.58
2019/05/16 109.84
2019/05/17 110.05
2019/05/20 110.05
2019/05/21 110.47
2019/05/22 110.35
2019/05/23 109.59
2019/05/24 109.29
2019/05/27 109.51
2019/05/28 109.37
2019/05/29 109.58
2019/05/30 109.62
2019/05/31 108.28
2019/06/03 108.06
2019/06/04 108.14
2019/06/05 108.45
2019/06/06 108.38
2019/06/07 108.19
2019/06/10 108.44
2019/06/11 108.51
2019/06/12 108.5
2019/06/13 108.38
2019/06/14 108.54
2019/06/17 108.52
2019/06/18 108.44
2019/06/19 108.09
2019/06/20 107.3
5月9日のポイントアンドフィギュアチャート
112
111.9
111.8
111.7
111.6
111.5
111.4
111.3
111.2
111.1
111
110.9
110.8
110.7
110.6
110.5
110.4
110.3
110.2
110.1
110
109.9
109.8
109.7
109.6
109.5
109.4
109.3
109.2
109.1
109

5月1日の111.38から5月9日の109.76までは下落期間です。この下落幅は転換枠3以上なので、111.2から109.7まで〇を書きます。この下落期間の起算日は5月1日でこの枠は111.3です。111.3に〇を書きません。5月9日の109.76から5月10日の109.97までは上昇期間です。この上昇幅は転換枠3未満なので、何も書かずに除去します。

5月13日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
111.6
111.5
111.4
111.3
111.2
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111
110.9
110.8
110.7
110.6
110.5
110.4
110.3
110.2
110.1
110
109.9
109.8
109.7
109.6
109.5
109.4
109.3
109.2
109.1
109

5月9日の109.76から5月13日の109.3までは下落期間です。前回の上昇は除去したので、前々回からの下落期間が続いていると考えます。つまり、5月1日の111.38から5月13日の109.3までを下落期間と考えます。この下落幅は転換枠3以上なので、111.2から109.3まで〇を書きます。既に111.2から109.7まで〇が書かれているので、109.6から109.3まで〇を書きます。

5月14日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
111.6
111.5
111.4
111.3
111.2
111.1
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110.9
110.8
110.7
110.6
110.5
110.4
110.3
110.2
110.1
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109.9
109.8
109.7
109.6
109.5
109.4
109.3
109.2
109.1
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5月13日の109.3から5月14日の109.6までは上昇期間です。この上昇幅は転換枠3以上なので、109.4から109.6まで✕を書きます。上昇期間の起算日は5月13日でこの枠は109.3です。109.3に✕を書きません。5月14日の109.6から5月15日の109.58までの減少幅は3枠未満なので、何も書かずに除去します。

5月21日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
111.6
111.5
111.4
111.3
111.2
111.1
111
110.9
110.8
110.7
110.6
110.5
110.4
110.3
110.2
110.1
110
109.9
109.8
109.7
109.6
109.5
109.4
109.3
109.2
109.1
109

5月14日の109.6から5月21日の110.47までは上昇期間です。前回の2銭の下落は除去したので、前々回からの上昇期間が続いていると考えます。つまり、5月13日の109.3から5月21日の110.47までを上昇期間と考えます。この上昇幅は3枠以上なので、109.4から110.4まで✕を書きます。既に109.4から109.6まで✕が書かれているので、109.7から110.4まで✕を書きます。

5月24日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
111.6
111.5
111.4
111.3
111.2
111.1
111
110.9
110.8
110.7
110.6
110.5
110.4
110.3
110.2
110.1
110
109.9
109.8
109.7
109.6
109.5
109.4
109.3
109.2
109.1
109

5月21日の110.47から5月24日の109.29までの減少幅は3枠以上なので、110.3から109.2まで〇を書きます。

5月27日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
111.6
111.5
111.4
111.3
111.2
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111
110.9
110.8
110.7
110.6
110.5
110.4
110.3
110.2
110.1
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109.9
109.8
109.7
109.6
109.5
109.4
109.3
109.2
109.1
109

5月24日の109.29から5月27日の109.51までの上昇幅は3枠以上なので、109.3から109.5まで✕を書きます。5月27日の109.51から5月28日の109.37までの下落幅は3枠未満なので、何も書かずに除去します。5月29日の109.58も同様です。

5月30日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
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110.6
110.5
110.4
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109.9
109.8
109.7
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109.5
109.4
109.3
109.2
109.1
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5月24日の109.29から5月30日の109.62までの上昇幅は3枠以上なので、109.3から109.6まで✕を書きます。既に109.3から109.5まで✕が書かれているので、109.6に✕を書きます。

5月31日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
111.6
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108.7
108.6
108.5
108.4
108.3
108.2
108.1
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5月30日の109.62から5月31日の108.28までの減少幅は3枠以上なので、109.5から108.2まで〇を書きます。

6月3日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
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108.5
108.4
108.3
108.2
108.1
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5月30日の109.62から6月3日の108.06までの減少幅は3枠以上なので、109.5から108まで〇を書きます。既に109.5から108.2まで〇が書かれているので、108.1から108まで〇を書きます。6月3日の108.06から6月4日の108.14までの上昇幅は3枠未満なので、何も書かずに除去します。

6月5日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
111.6
111.5
111.4
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110.9
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110.7
110.6
110.5
110.4
110.3
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109.9
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108.7
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108.5
108.4
108.3
108.2
108.1
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6月3日の108.06から6月5日の108.45までの上昇幅は3枠以上なので、108.1から108.4まで✕を書きます。6月5日の108.45から6月6日の108.38までの下落幅は3枠未満なので、何も書かずに除去します。

6月7日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
111.6
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110.9
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108.6
108.5
108.4
108.3
108.2
108.1
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6月5日の108.45から6月7日の108.19までの減少幅は3枠以上なので、108.3から108.1まで〇を書きます。

6月10日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
111.6
111.5
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110.5
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110.2
110.1
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108.3
108.2
108.1
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6月7日の108.19から6月10日の108.44までの上昇幅は3枠以上なので、108.2から108.4まで✕を書きます。

6月11日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
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110.7
110.6
110.5
110.4
110.3
110.2
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109.8
109.7
109.6
109.5
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109.1
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108.7
108.6
108.5
108.4
108.3
108.2
108.1
108

6月7日の108.19から6月11日の108.51までの上昇幅は3枠以上なので、108.2から108.5まで✕を書きます。既に108.2から108.4まで✕が書かれているので、108.5に✕を書きます。6月11日の108.51と6月12日の108.5は同じ枠なので、何も書かずに除去します。6月11日の108.51から6月13日の108.38までの下落幅は3枠未満なので、何も書かずに除去します。6月11日の108.51と6月14日の108.54は同じ枠なので、何も書かずに除去します。6月17日の108.52も同様です。6月11日の108.51から6月18日の108.44までの下落幅は3枠未満なので、何も書かずに除去します。

6月19日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
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110.4
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110.1
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109.3
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108.7
108.6
108.5
108.4
108.3
108.2
108.1
108

6月11日の108.51から6月19日の108.09までの減少幅は3枠以上なので、108.4から108まで〇を書きます。

6月20日のポイントアンドフィギュアチャート
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111.9
111.8
111.7
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110.9
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110.7
110.6
110.5
110.4
110.3
110.2
110.1
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109.8
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108.8
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108.5
108.4
108.3
108.2
108.1
108
107.9
107.8
107.7
107.6
107.5
107.4
107.3
107.2
107.1
107

6月11日の108.51から6月20日の107.3までの減少幅は3枠以上なので、108.4から107.3まで〇を書きます。既に108.4から108まで〇が書かれているので、107.9から107.3まで〇を書きます。

ドル円の日足チャート
ポイントアンドフィギュアチャートの形は、日足チャートの形よりもシンプルです。これは時間よりも値動きの大きさを重視しているからです。ポイントアンドフィギュアチャートは、転換枠の値動きが発生しない限り、時間が更新されません。