FXのスプレッドとは?

ドル円の為替レート

為替レートのスプレッドは、1通貨当たりの買値と売値の差額です。例えば、ドル円の買値が100.05円、売値が100.04円の場合、1通貨当たりのスプレッドは0.01円です。スプレッドのコストはスプレッド×決済通貨量で計算します。例えば、スプレッド0.01円で1万通貨を決済する場合、0.01円×1万通貨で100円のコストです。スプレッドは決済時に支払われます。スプレッドのコストは決済通貨が大きいほど増えます。金融機関が提示する顧客レートでは、買値をAsk、売値をBidと表記する場合があります。

目次

銀行間レートと顧客レートのスプレッド

FXのスプレッドは顧客レートのスプレッドです。顧客レートのスプレッドは銀行間レートのスプレッドを基準に決まります。インターバンク市場の銀行間レートのスプレッドは変動スプレッドです。インターバンク市場は銀行同士が取引する市場です。銀行の間にブローカー(仲介会社)が入ることもあります。インターバンク市場で注文するコストは通常1銭程です。また、信用が低い銀行ほど為替レートのスプレッドは広がります。手数料は金融機関が独自に決めています。コストが低い程、手数料を低くできる余地があります。

顧客市場の顧客レートのスプレッドは完全固定スプレッド、原則固定スプレッド、変動スプレッドです。顧客レートは顧客の窓口になる金融機関が顧客に提示する為替レートです。顧客の窓口になる金融機関は、マーケットメーカーから提示される為替レートにインターバンク市場に注文するコストと金融機関の利益を含めて顧客レートを決めます。また、信用が低い金融機関ほど為替レートのスプレッドは広がります。

インターバンク市場の銀行間レートと顧客市場の顧客レート

FXのスプレッドの種類

FXの取引方式に応じてFX業者の顧客レートのスプレッドの決め方は変わります。FXのスプレッドの種類は、原則固定スプレッド、変動スプレッド、完全固定スプレッドです。

原則固定スプレッド

ほとんどの店頭取引を採用しているFX業者は原則固定スプレッドです。FX業者は、銀行からの変動スプレッドを固定スプレッドと変動スプレッドに分けて顧客に提示しています。そのため、FX業者はスプレッド変動リスクを負います。原則固定とは、FX業界の自主規制ルールによると広告したスプレッドの最大値以下のスプレッドが95%以上提示されていることです。しかし、何を基準として95%以上とするのかが不明確で、広告したスプレッドよりも広いスプレッドが長期間提示される可能性もあります。しかし、通常は流動性が低い時以外はスプレッドは大きく広がらず、高いレバレッジの取引でない限り心配する必要はありません。スプレッドが広がる理由については後述します。不安な方は全時間帯の全提示価格のスプレッド提示率を確認するとよいです。

店頭取引の原則固定スプレッドと銀行の変動スプレッド

変動スプレッド

変動スプレッドは流動性が低い時以外は大きく変動しません。不安な方は全時間帯の全提示価格のスプレッド提示率を確認するとよいです。変動スプレッドはクリック365や一部のFX業者で採用されています。くりっく365は取引所取引です。顧客はくりっく365を扱う金融機関を通じてマーケットメーカーから東京金融取引所取引に提示する為替レートで取引します。マーケットメーカーは東京金融取引所に取引振興料を納付しなければならず、そのコストがスプレッドに反映されています。

取引振興料の目的はくりっく365を扱う金融機関が顧客から受け取っている取引手数料を低くまたは無料化しやすくすることです。くりっく365を扱う金融機関は取引参加料を東京金融取引所に支払います。取引参加料の補助金である取引振興料は取引参加料以上の金額です。東京金融取引所はマーケットメーカーから受け取った取引振興料をくりっく365を扱う金融機関に支払います。

くりっく365は取引手数料がかかりませんが、取引振興料のコストが含まれたスプレッドが顧客に提示されています。

くりっく365の変動スプレッドと銀行の変動スプレッドと取引参加料と取引振興料

ECN(Electronic Communications Network)を採用しているFX業者は、変動スプレッドです。ECNは電子取引所方式で取引参加者同士の注文を自動的にマッチングします。ECNの取引参加者は顧客、銀行、ブローカー(仲介会社)などです。FX業者はスプレッドに利益を乗せられないので顧客から取引手数料を受け取ります。取引手数料は取引量ではなく取引回数に応じて増えます。

ECNの変動スプレッドと銀行の変動スプレッドと取引参加料

STP(Straight Through Processing)を採用しているFX業者は、変動スプレッドです。STPは顧客の注文を直接カバー先に流します。STPのスプレッドにはFX業者の利益が含まれています。また、STPは取引手数料がかかる場合があります。

STPの変動スプレッドと銀行の変動スプレッド

完全固定スプレッド

FX業者は完全固定スプレッドを採用していません。完全固定スプレッドではFX業者はインターバンク市場のスプレッドが大きく広がっている時でも、顧客に一定のスプレッドを提示しなければなりません。そのため、FX業者にとってリスクが大きいです。

FXのスプレッドが広がる理由

FXのスプレッドは、インターバンク市場の流動性が低くなると広がります。流動性とは注文量です。インターバンク市場の注文量が少ない時は下記の通りです。

  • 大きなニュースが出た時
  • 日本時間の早朝
  • 祝日
  • マイナー通貨ペアを注文する時

大きなニュースが出た時は為替レートの変動が激しいので注文量は減り、スプレッドは広がります。為替レートの変動が落ち着いてくると注文量は増え、スプレッドは狭くなります。重要な経済指標や金融政策などは事前に発表時間が分かっているため、発表時間の直前でもスプレッドが広がることもあります。

日本時間の早朝は多くの外国為替市場の取引参加者が仕事を終えている時間です。取引参加者が少ないので注文量は減り、スプレッドは広がります。日本の銀行が参加し始めると注文量は増え、スプレッドは狭くなります。

祝日は銀行は休みです。国ごとに祝日は違います。各国の祝日が重なると取引参加者が少ないので注文量は減り、スプレッドは広がります。特に年末年始、クリスマス前後は取引参加者が少ないです。また、日本の祝日の早朝は取引参加者が少なく、投機的な取引でスプレッドが広がったことがあります。

マイナー通貨ペアは取引参加者が少ないので注文量は減り、スプレッドは広がります。マイナー通貨ペアはマイナー通貨を含んだ通貨ペアだけではありません。マイナー通貨を含まない通貨の組み合わせでも、マイナー通貨ペアです。世界の通貨ペア別の直物取引量については下記の記事をご覧ください。

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世界の通貨ペアの取引量

2018年12月22日
ドル円の為替レート