FXのスプレッドとは

インターバンク市場の銀行間レートと顧客市場の顧客レート

スプレッドは、為替レートの買値と売値の差額で、為替手数料です。為替手数料の計算方法は、「スプレッドの広がりの影響を受けた為替レートで約定した時のスプレッド×約定通貨量」です。スプレッドの広がりの為替レートへの影響は、買値だけが高くなるFX業者と、買値が高く、売値が安くなるFX業者があります。

FXのスプレッドは、インターバンク市場の銀行間レートの変動スプレッドを基準に決まります。インターバンク市場は銀行同士が取引する市場です。銀行の間にブローカー(仲介会社)が入ることもあります。

目次

為替手数料の計算方法

買値だけが高くなるFX業者の為替手数料の計算方法は、「買いの新規注文または買いの決済注文をする時のスプレッド×約定通貨量」です。買値が高く、売値が安くなるFX業者の為替手数料の計算方法は、「新規注文をする時のスプレッド÷2×約定通貨量+決済注文をする時のスプレッド÷2×約定通貨量」です。

スプレッドの広がりが買値だけに影響するFX業者の場合、ドル円のスプレッドが0.003の時の1万通貨の買いの新規注文または買いの決済注文の為替手数料は、30円です。

スプレッドの広がりが買値と売値の両方に影響するFX業者の場合、ドル円のスプレッドが0.003の時の1万通貨の買いの新規注文の為替手数料は、15円です。ドル円のスプレッドが0.01の時の1万通貨の売りの決済注文の為替手数料は、50円です。

スプレッドが広がった時に買値だけが高くなるFX業者の場合、買いの新規注文または買いの決済注文をする時のスプレッドに注意します。スプレッドが広がった時に買値が高く、売値が安くなるFX業者の場合、新規注文と決済注文をする時のスプレッドに注意します。

FXのスプレッドの種類

FXのスプレッドの種類は、原則固定スプレッド、変動スプレッドです。

原則固定スプレッド

ほとんどの店頭取引を採用しているFX業者は原則固定スプレッドです。FX業者は、銀行からの変動スプレッドを固定スプレッドと変動スプレッドに分けて顧客に提示しています。そのため、FX業者はスプレッド変動リスクを負います。原則固定とは、FX業界の自主規制ルールによると広告したスプレッドの最大値以下のスプレッドが95%以上提示されていることです。しかし、何を基準として95%以上とするのかが不明確で、広告したスプレッドよりも広いスプレッドが長期間提示される可能性もあります。しかし、通常は流動性が低い時以外はスプレッドは大きく広がらず、高いレバレッジの取引でない限り心配する必要はありません。スプレッドが広がる理由については後述します。不安な方は全時間帯の全提示価格のスプレッド提示率を確認するとよいです。

店頭取引の原則固定スプレッドと銀行の変動スプレッド

変動スプレッド

変動スプレッドは流動性が低い時以外は大きく変動しません。変動スプレッドはクリック365や一部のFX業者で採用されています。くりっく365は取引所取引です。顧客はくりっく365を扱う金融機関を通じてマーケットメーカーから東京金融取引所取引に提示する為替レートで取引します。マーケットメーカーは東京金融取引所に取引振興料を納付しなければならず、そのコストがスプレッドに反映されています。

取引振興料の目的はくりっく365を扱う金融機関が顧客から受け取っている取引手数料を低くまたは無料化しやすくすることです。くりっく365を扱う金融機関は取引参加料を東京金融取引所に支払います。取引参加料の補助金である取引振興料は取引参加料以上の金額です。東京金融取引所はマーケットメーカーから受け取った取引振興料をくりっく365を扱う金融機関に支払います。

くりっく365は取引手数料がかかりませんが、取引振興料のコストが含まれたスプレッドが顧客に提示されています。

くりっく365ラージは、取引振興料の対象外でくりっく365よりも狭いスプレッドですが、取引手数料がかかります。

くりっく365の変動スプレッドと銀行の変動スプレッドと取引参加料と取引振興料

ECN(Electronic Communications Network)を採用しているFX業者は、変動スプレッドです。ECNは電子取引所方式で取引参加者同士の注文を自動的にマッチングします。ECNの取引参加者は顧客、銀行、ブローカー(仲介会社)などです。FX業者はスプレッドに利益を乗せられないので顧客から取引手数料を受け取ります。取引手数料は取引量ではなく取引回数に応じて増えます。

ECNの変動スプレッドと銀行の変動スプレッドと取引参加料

STP(Straight Through Processing)を採用しているFX業者は、変動スプレッドです。STPは顧客の注文を直接カバー先に流します。STPのスプレッドにはFX業者の利益が含まれています。また、STPは取引手数料がかかる場合があります。

STPの変動スプレッドと銀行の変動スプレッド

FXのスプレッドが広がる理由

FXのスプレッドは、インターバンク市場の流動性が低くなると広がります。流動性とは注文の成立のしやすさです。インターバンク市場の注文が成立しにくい時間は下記の通りです。

  • 大きなニュースが出た時
  • 日本時間の早朝
  • 祝日
  • マイナー通貨ペアを注文する時

大きなニュースが出た時は為替レートの変動が激しいので注文量は減り、スプレッドは広がります。為替レートの変動が落ち着いてくると注文量は増え、スプレッドは狭くなります。重要な経済指標や金融政策などは事前に発表時間が分かっているため、発表時間の直前でもスプレッドが広がることもあります。

日本時間の早朝は多くの外国為替市場の取引参加者が仕事を終えている時間です。取引参加者が少ないので注文量は減り、スプレッドは広がります。日本の銀行が参加し始めると注文量は増え、スプレッドは狭くなります。

祝日は銀行は休みです。国ごとに祝日は違います。各国の祝日が重なると取引参加者が少ないので注文量は減り、スプレッドは広がります。特に元旦、クリスマスは取引参加者が少ないです。また、日本の祝日の早朝は取引参加者が少なく、投機的な取引でスプレッドが広がったことがあります。

マイナー通貨ペアは取引参加者が少ないので注文量は減り、スプレッドは広がります。高金利のトルコリラ円、南アランド円、メキシコペソ円は、マイナー通貨ペアです。

BIS 本社ビル

FXの通貨ペアのスポット取引量

2018年12月22日
インターバンク市場の銀行間レートと顧客市場の顧客レート