FXの税金の仕組みと確定申告

確定申告書と電卓とボールペン

FXの税金の仕組みはどのようになっているのでしょうか?またどのような人が確定申告するのでしょうか?この記事は2019年の取引で、2020年に確定申告する場合の最新の税法に基づいています。

目次

損益通算

国内業者のFXは雑所得の中の「先物取引に係る雑所得等」です。先物取引に係る雑所得等は国内業者のFXの他にも、商品先物取引、指数先物取引、オプション取引があります。損失が出た先物取引と利益が出た先物取引は損益通算ができます。また、取引した金融機関ごとに損益通算ができます。例えば、FX(A会社)で100万円の利益、FX(B会社)で20万円の損失、株価指数先物取引(C社)で20万円の損失、オプション取引(C社)で40万円の利益が出た場合、先物取引に係る雑所得等は100万円です。

損益通算 国税庁

雑所得の計算方法

雑所得は収入金額から必要経費を控除して計算します。収入金額は毎年1月頃に取引した金融機関ごとに交付される年間取引報告書の合計金額です。自分ですべての金融機関の年間取引報告書を合計します。損失の年間取引報告書は上述したように損益通算ができます。

年間取引報告書は為替差損益とスワップポイント損益が記載されています。為替差損益とスワップポイントは決済すると課税されます。ただし、未決済のスワップポイントが口座残高に自動で反映されるFX会社は、決済しなくても課税されます。また、スワップポイントを未決済のまま引き出しができる場合、FX会社により課税方法が異なります。

必要経費は売上原価、販売費および一般管理費です。いずれもFXの損益のために使用したことを合理的に説明できなければなりません。FXと家事上の目的で使用したものを必要経費にしたい場合、合理的に説明できる使用割合に応じて金額を分けます。

減価償却費以外の必要経費はその年までに債務が確定していなければいけません。債務の確定は難しく考えずに、その年までに使用されていて、支払金額が明確であればよいと考えてください。買っただけでなく、使用し始めていなければいけません。レシートや領収書などの支出金額と内容を証明できる物も必要です。

減価償却費はFXのために使用される10万円以上の資産がある場合に計算します。例えばFX専用の10万円以上のパソコンを購入した場合、使用した日から4年間に分けて必要経費を月割りで計上します。

FXの必要経費として認められやすい支出は下記の通りです。

  • FX関連の書籍代、情報商材
  • FX関連のセミナー参加費用(交通費、懇親会費を含む)
  • 消耗品費(筆記用具など)
  • FX口座の入出金に関わる振込手数料
  • FX専用のパソコン関連機器
  • FX専用の通信費用

雑所得 国税庁

必要経費 国税庁

減価償却のあらまし 国税庁

申告分離課税と税率

国内業者のFXは申告分離課税です。申告分離課税は他の所得区分と合算せずに税額を計算して確定申告します。申告分離課税は源泉分離課税とは違います。源泉分離課税は確定申告しません。なぜなら金融機関が投資家の代わりに税金を計算して納付するからです。

国内業者のFXの税率は20.315%です。税率の内訳は所得税が15%、復興特別所得税が0.315%、住民税が5%です。復興特別所得税は東日本大震災からの復興のための税金で、2013年1月1日から2037年12月31日まで税金が課されます。税率は雑所得に掛けて計算します。

申告分離課税制度 国税庁

FXの課税関係 国税庁

確定申告が不要な場合

FXで利益が出ていても確定申告が不要な場合は以下の通りです。

  1. 年収2000万円以下で1つの会社からしか給料をもらっておらず、給料と退職金以外の所得金額が20万円以下
  2. 公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等の雑所得以外の所得金額が20万円以下
  3. 納付すべき所得税額が生じない(所得金額が38万円以下)

➀はサラリーマン、➁は年金生活者、➂は所得が少ない人です。先物取引に係る雑所得等と他の所得を計算して上記に該当するか判断してください。

確定申告 国税庁

損失の繰越控除

国内のFX業者で損失が生じた場合、確定申告することで翌年以降の3年は損失を収益から控除できます。損失は確定申告することで翌年に繰り越せるので、確定申告は毎年続ける必要があります。1年目または2年目に収益が出なかったとしても確定申告しないと、2年目または3年目に損失を繰り越せないのでご注意ください。

FXの損失の繰越控除と確定申告の連続の必要性
2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
損益 -50 +10 +10 +20 +30
相殺額 10 10 20
先物取引に係る雑所得等 0 0 0 0 30
損失繰越額 50 40 30 0
確定申告 必要 必要 必要 必要 必要

2019年は損失で「損失の繰越控除」の適用を受けるため、確定申告する必要があります。2020年は利益で2019年の損失と相殺するため、確定申告する必要があります。2021年と2022年も同様です。2023年は損失と相殺できません。

取引しなかった場合のFXの損失の繰越控除と確定申告
2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
損益 -50 0 +10 +20 +30
相殺額 0 10 20
先物取引に係る雑所得等 0 0 0 0 30
損失繰越額 50 50 40 0
確定申告 必要 必要 必要 必要 必要

2020年は取引しませんでしたが、損失を2021年に繰り越すため、確定申告する必要があります。

先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除 国税庁

確定申告書と電卓とボールペン