FXのレバレッジは何倍までが安全か?

レバレッジに応じたリスク、リターンと損失許容額と目標利益額

FXは為替レートの急変動により、予期せぬ損失になる可能性があります。そのため、為替レートが急変動しても大丈夫なようにトレードする必要があります。レバレッジが低い場合と高い場合でどのようにリスクが変化するのかを理解した上で適正なレバレッジを決めます。

目次

FXのレバレッジのリスク

FXはレバレッジの倍率に応じてリスクが変化します。レバレッジはFX業者に預けたお金を担保にして、投資資金よりも大きい取引ができます。例えば、レバレッジ10倍なら投資資金の10倍の取引ができ、為替差損益とスワップポイントも10倍になります。為替差損、スワップポイントの支払いがリスクで、為替差益とスワップポイントの受け取りがリターンです。レバレッジ1倍であれば外貨預金と同じ取引金額です。

FXと外貨預金では元本に対するリスクが違います。元本に対するリスクは、元本割れ、元本消滅、元本を超える損失があります。元本割れのリスクは、外貨預金、国内のFX業者、海外のFX業者のいずれにもあります。元本消滅のリスクは、FXのレバレッジ2倍以上だけです。外貨預金、FXのレバレッジ1倍で元本消滅となるドル円の為替レートは1ドル0円であり、あり得ないからです。元本を超える損失のリスクは、国内のFX業者とのボラティリティがとても高い時のハイレバレッジ取引で起きます。元本を超える損失は、金融商品取引法第39条(損失補填等の禁止)で認められています。一部の海外のFX業者は、ゼロカットシステムを採用しており、元本を超える損失のリスクがありません。しかし、悪質な海外のFX業者もありますのでご注意ください。

FXと外貨預金の元本に対するリスクの比較
金融商品名 外貨預金 FX(国内業者) FX(海外業者)
レバレッジ 1倍 1倍 2倍~25倍 1倍 2倍~数百倍
元本割れ あり あり あり あり あり
元本消滅 なし なし あり なし あり
元本を超える損失 なし なし あり なし なし
(一部あり)
為替レートとレバレッジに応じた損失額の比較
(1ドル100円の時に100万円で1万ドルを購入した場合)
レバレッジ1倍 レバレッジ2倍 レバレッジ3倍 レバレッジ4倍
1ドル0円 100万円 200万円 300万円 400万円
1ドル50円 50万円 100万円 150万円 200万円
1ドル66.66円 33万円 67万円 100万円 133万円
1ドル75円 25万円 50万円 75万円 100万円

FXのレバレッジとロスカット

FXのロスカットルールは、元本消滅のリスクを回避するため、元本割れの段階で強制決済する仕組みです。ロスカットルールは、FX業者ごとに決められた証拠金維持率になった時に自動的に決済されます。証拠金維持率の計算方法は「(投資資金±評価損益±スワップポイント)÷(取引金額÷最大レバレッジ)」です。国内のFX業者の最大レバレッジは通常25倍です。評価損益とは購入後に未決済の損益をいいます。投資資金100万円で取引した場合の証拠金維持率の計算方法は下記の通りです。

購入時の証拠金維持率の計算方法
(1)最大レバレッジ 25倍
(2)投資資金 100万円
(3)有効証拠金
(2±評価損益±スワップポイント
100万円
(4)取引金額(レバレッジ2倍) 200万円
(5)必要証拠金
(4)÷(1)
8万円
(6)証拠金維持率
(3)÷(5)
1,250%
評価損益とスワップポイントがある時の証拠金維持率の計算方法
(1)最大レバレッジ 25倍
(2)投資資金 100万円
(3)評価損失 4万円
(4)スワップポイント 1万円
(5)有効証拠金
(2)-(3)+(4)
97万円
(6)購入時の取引金額±評価損益±スワップポイント 197万円
(7)必要証拠金
(6)÷(1)
7.88万円
(8)証拠金維持率
(5)÷(6)
1,230%

証拠金維持率の計算は複雑です。しかし、実際に知りたいのは、レバレッジの倍率に応じたロスカット損失とロスカットレートです。購入時レート1ドル100円、ロスカットになる証拠金維持率50%の時のロスカット損失とロスカットレートの関係は下記の通りです。下記の計算は便宜上スワップポイントがないものとして計算します。

ロスカットになる証拠金維持率の計算方法とロスカットレート
レバレッジ1倍 レバレッジ2倍 レバレッジ3倍 レバレッジ4倍
(1)最大レバレッジ 25倍 25倍 25倍 25倍
(2)投資資金 100万円 100万円 100万円 100万円
(3)ロスカット損失 98万円 96万円 94万円 92万円
(4)有効証拠金
(2)-(3)
2万円 4万円 6万円 8万円
(5)取引金額 100万円 200万円 300万円 400万円
(6)必要証拠金(5)÷(1) 4万円 8万円 12万円 16万円
(7)証拠金維持率
(4)÷(6)
50% 50% 50% 50%
(8)ロスカットレート
(単位:ドル/円)
2 52 68.66 77

最大レバレッジが高い程、またはロスカットになる証拠金維持率が低い程、ロスカットレートは低くなります。取引するレバレッジ、最大レバレッジ、ロスカットになる証拠金維持率が同じであれば、投資資金がいくらであってもロスカットレートは同じです。

最大レバレッジ25倍、証拠金維持率100%または50%、投資資金100万円、購入時レート1ドル100円の時のレバレッジに応じたロスカット損失とロスカットレートは下記の通りです。

ロスカットになる証拠金維持率100%のレバレッジに応じたロスカットレートとロスカット損失
レバレッジ
(単位:倍)
ロスカットレート
(単位:ドル/円)
ロスカット損失
(単位:万円)
1 4 96
2 54 92
3 70.66 88
4 79 84
5 84 80
6 87.33 76
7 89.71 72
8 91.5 68
9 92.88 64
10 94 60
11 94.9 56
12 95.66 52
13 96.3 48
14 96.85 44
15 97.33 40
16 97.75 36
17 98.11 32
18 98.44 28
19 98.73 24
20 99 20
21 99.23 16
22 99.45 12
23 99.65 8
24 99.83 4
25 100 0
ロスカットになる証拠金維持率50%のレバレッジに応じたロスカットレートとロスカット損失
レバレッジ
(単位:倍)
ロスカットレート
(単位:ドル/円)
ロスカット損失
(単位:万円)
1 2 98
2 52 96
3 68.66 94
4 77 92
5 82 90
6 85.33 88
7 87.71 86
8 89.5 84
9 90.88 82
10 92 80
11 92.9 78
12 93.66 76
13 94.3 74
14 94.85 72
15 95.33 70
16 95.75 68
17 96.11 66
18 96.44 64
19 96.73 62
20 97 60
21 97.23 58
22 97.45 56
23 97.65 54
24 97.83 52
25 98 50
ロスカット

FXのロスカットのシミュレーション

2020年4月17日

FXのレバレッジ規制

FXはロスカットルールに加えて、レバレッジ規制があります。国内のFX業者のレバレッジの倍率は25倍が限度です。最大レバレッジが25倍のFX業者では、証拠金維持率が100%を下回らないようにしなければなりません。証拠金維持率は、ロスカットのルールで説明したものです。証拠金維持率が100%を下回ると、FX業者は次のいずれかの方法で追加証拠金を口座から引き落とします。

  • すぐに強制決済する。
  • 一定期間が過ぎても投資資金の追加またはポジションの決済によって、証拠金維持率が100%以上にならないと、強制決済する。

投資資金の追加またはポジションの決済以外の理由で証拠金維持率が100%以上になっても、強制決済されるのでご注意ください。例えば、評価損が縮小して証拠金維持率が100%以上になっても、投資資金の追加またはポジションの決済をしないと強制決済されます。すぐに強制決済するFX業者は、ロスカットになる証拠金維持率を100%にして、ロスカットルールとレバレッジ規制の2つの強制決済レートを同じレートにしています。すぐに強制決済するレートが2つある必要がないからです。

ロスカットルールとレバレッジ規制の2つの強制決済レートが違う場合

レバレッジ超過レートは1ドル79円で、一定期間経過後に強制決済されます。ロスカットレートは1ドル77円で、すぐに強制決済されます。

ロスカットルールとレバレッジ規制の2つの強制決済レートが同じ場合

レバレッジ超過レートとロスカットレートは1ドル79円で、すぐに強制決済されます。

FXのレバレッジとボラティリティ

ボラティリティとは、一定期間における価格の変動の大きさをいいます。価格が短期間で大きく動く状態をボラティリティが高いといいます。価格が長期間でほとんど動かない状態をボラティリティが低いといいます。ボラティリティは、通貨ペアの種類や取引の時間帯により大きく異なります。取引量が少ない通貨ペアや、取引量が少ない時間帯は、ボラティリティが高くなります。また、ボラティリティが高い時はスプレッドが広がりやすいです。

ボラティリティがとても高い時は、ストップレートやロスカットレートを越える値動きをすることがあります。この場合、ストップレートやロスカットレートを超えたレートで決済されます。この時の損失はレバレッジが高いほど大きくなります。ロスカットレートを超えたレートで決済された時の損失は、元本を超える損失になることもあります。ゼロカットシステムを採用している一部の海外のFX業者は、元本を超える損失になることはありません。

ロスカットになる証拠金維持率50%のFX業者で1ドル100円の時に100万円でドル円を25万ドル買ったとします。この時のレバレッジは25倍、ロスカットレートは1ドル98円です。その後、1ドル99円のレートが1ドル97円に瞬間的に飛んだ場合、ロスカットレートの1ドル98円で決済されずに、1ドル97円で決済されます。実際のロスカット損失は、理論上のロスカット損失である50万円よりも25万円多い75万円です。

上記と同じ条件で1ドル99円のレートが1ドル95円に瞬間的に飛んだ場合、1ドル95円で決済されます。実際のロスカット損失は、理論上のロスカット損失である50万円よりも75万円多い125万円です。これは元本100万円を超える損失です。ゼロカットシステムを採用している海外のFX業者で同じ状況になった場合、実際のロスカット損失は100万円です。

ロスカットレートを超えた決済
(1ドル99円から1ドル97円に飛んだ場合)
金融商品名 FX(国内業者) FX(海外業者)
レバレッジ 25倍 25倍
理論上のロスカット損失 50万円 50万円
ロスカットレート
(単位:ドル/円)
98 98
実際のロスカット損失 75万円 75万円
元本を超える損失となったロスカットレートを超えた決済
(1ドル99円から1ドル95円に飛んだ場合)
金融商品名 FX(国内業者) FX(海外業者)
レバレッジ 25倍 25倍
理論上のロスカット損失 50万円 50万円
ロスカットレート
(単位:ドル/円)
98 98
実際のロスカット損失 125万円 100万円

おすすめのレバレッジの決め方

レバレッジは損切りの目安に基づき決めた方が安全です。損切りの目安はストップレートです。ストップレートとは購入時に想定していない為替レートです。ストップレートにかかった時の損失額はレバレッジにより変わります。同じストップレートであれば高いレバレッジになるほど損失額は大きくなります。レバレッジはストップレートにかかった時の損失額が1回の取引で許容できる損失額になるように計算します。1回の取引で許容できる損失額は何回連続して負けたら投資資金がなくなるかを考えて設定します。こうすることで短期間ですべての投資資金を失うことを防ぎ、取引チャンスに多く出会えます。

低いレバレッジはストップレートまでの距離を遠くでき、ポジションを長く保有する場合に適しています。高いレバレッジはストップレートまでの距離が近く、ポジションを短く保有する場合に適しています。高いレバレッジでストップレートまでの距離が近すぎると、損失額は小さくなりますが、ボラティリティが高くなると思わぬ損失額になります。

勝率があまり高くないトレードは低レバレッジがよいです。勝率がとても高いトレードは高めのレバレッジがよいです。初心者の方は低レバレッジから始め、勝率が上がった状態を維持できるようになったら、ボラティリティに注意しながらレバレッジを少しだけ上げるとよいです。

おすすめのレバレッジの計算方法
(1)投資資金
(単位:万円)
100 100
(2)1回の取引で許容できる損失額
(単位:万円)
2 4
(3)購入レート
(ドル/円)
100 100
(4)ストップレート
(ドル/円)
99.4 99.4
(5)レバレッジ1倍の時の損失額
(単位:万円)
(3)-(4)]÷(3)×(1)
0.6 0.6
(6)許容できる損失額となるレバレッジ
(2)÷(5)
5倍 10倍

損切りの目安をストップレートにする方法は、投資資金に応じた1回の取引で許容できる損失額を初めに決めます。次に購入レートとストップレートを決めます。そして、購入レートからストップレートになったら、何%為替が上下するのかを計算します。この上下率に投資資金を乗じると、レバレッジ1倍の時の損失額が分かります。最後に1回の取引で許容できる損失額になるレバレッジを計算します。

相場の動き方は多様であり、自分の得意なパターンに応じてレバレッジを変動させると、利益の幅も大きくなります。

下記でレバレッジのシミュレーションができます。通貨ペアの種類がドル円・クロス円以外の場合は、新規注文時の決済通貨と円の為替レートを入力してください。決済通貨は通貨ペアの右側の通貨です。例えば、ユーロドルを新規注文する場合、決済通貨はドルです。決済通貨と円の為替レートはドル円です。

おすすめのレバレッジのシミュレーション方法
投資資金
通貨ペアの種類
ポジション方向
新規注文レート
ストップレート
1回の取引で許容できる損失額
レバレッジ1倍の時の損失額
許容できる損失額となるレバレッジ
取引通貨量
レバレッジに応じたリスク、リターンと損失許容額と目標利益額