為替スワップ取引とは

為替スワップ取引の流れ

為替スワップ取引は、通貨を担保に外貨を借入れ、返済期日に元本と直先スプレッドを支払います。直先スプレッドは通貨の金利差です。為替スワップと通貨スワップの違う点は金利の交換方法です。為替スワップは直先スプレッドを通して固定金利を交換します。通貨スワップは変動金利を直接交換します。

為替スワップ取引はスポット(直物)と先物を同額で同時に行います。スポットは売買契約日から2営業日後に通貨の受け渡しがされます。先物の通貨の受け渡し期間はスポットよりも長いです。

為替スワップ取引の目的は外貨の資金繰り、為替予約のカバー取引、FXのロールオーバー、外国証券投資の為替変動リスクのヘッジ、裁定取引などです。

目次

直先スプレッドとは

直先スプレッドはスワップ市場で決まり、通貨の金利差に近づきます。直先スプレッドが金利差になる理由は裁定取引が行われるからです。裁定取引は為替変動リスクを負わずに利益を上げることができます。裁定取引は直先スプレッドを利益が上がらなくなる水準まで動かします。その水準は理論的には通貨の金利差です。裁定取引はコストなどを考慮して行われるので直先スプレッドは金利差に厳密には一致しません。

ドルの金利が3%、円の金利が1%の場合、1年後の直先スプレッドは理論的には2%です。実際の1年後の直先スプレッドが1%の場合、ドル買い円売りのスポットとドル売り円買いの1年先物の為替スワップ取引をします。また、ドル売り円買いの1年先物に使うドルを除いたドルの金利分のドル売り円買いの為替予約もします。投資資金が1万円、ドル円のスポットレートが1ドル100円の場合、ドル買い円売りのスポットで1万円を100ドルにします。1年後にドルの利息3ドルを受け取ります。ドル売り円買いの1年先物の決済で1万円を101ドルで買います。この場合、直先スプレッドが1%なのでドル円の先物為替レートは1ドル99円です。2ドルをドル売り円買いの為替予約で198円にします。手元には1万198円残ります。

為替スワップ取引をせずに1万円を1%で運用すると1万100円残ります。為替スワップ取引をした方が98円(0.98%)利益が大きいです。このような取引が多くなると、ドル円のスポットレートはドル高円安に、ドル円の先物為替レートはドル安円高になっていきます。この影響を受けてドルと円の直先スプレッドは拡大し、金利差に近づきます。

また、市場金利よりも安く資金調達できる場合、借入れをして裁定取引されることがあります。

為替スワップと裁定取引
取引の種類 資産
為替スワップのスポット
(100ドルを1ドル100円で購入)
100ドル
3ドルの運用利益
(金利3%)
103ドル
為替スワップの先物
(1万円を1ドル99円で購入)
2ドルと1万円

直先スプレッドは年率またはスワップレート(スワップポイント)で表します。スワップレートはスポットレートの最小単位を1ポイントとします。例えば、ドル円の1ポイントは1銭です。ユーロドルの1ポイントは0.0001ドルです。

直先スプレッドは、通貨ペアのどちらの金利が高いのかをディスカウントまたはプレミアムで表します。金利の高い方の通貨は、金利の低い方の通貨に対して先物でディスカウントです。金利の低い方の通貨は、金利の高い方の通貨に対して先物でプレミアムです。

先物為替レートの計算方法

先物為替レートはスポットレートに直先スプレッドを加減すると計算できます。先物為替レートは、主軸通貨(通貨ペアの左側の通貨)が決済通貨(通貨ペアの右側の通貨)に対してディスカウントの場合、スポットレートから直先スプレッドを引きます。主軸通貨が決済通貨に対してプレミアムの場合、スポットレートに直先スプレッドを足します。

ドル円の主軸通貨はドル、決済通貨は円です。ドルの金利が3%、円の金利が1%の場合、ドルは円に対して先物で2%のディスカウントです。ドル円の先物為替レートはスポットレートから直先スプレッドを引いて計算します。ドル円のスポットレートが1ドル100円の場合、直先スプレッドは2円、1年後のドル円の先物為替レートは1ドル98円です。

ユーロドルの主軸通貨はユーロ、決済通貨はドルです。ユーロの金利が1%、ドルの金利が3%の場合、ユーロはドルに対して先物で2%のプレミアムです。ユーロドルの先物為替レートはスポットレートに直先スプレッドを足して計算します。ユーロドルのスポットレートが1ユーロ1.3ドルの場合、直先スプレッドは0.026ドル、1年後のユーロドルの先物為替レートは1ユーロ1.326ドルです。

為替スワップ取引の流れ