為替のマリーとは

マリー(marry)とは外貨建ての債権と債務を相殺することです。マリーの目的は、為替変動リスクの回避と為替手数料の削減です。そのため、為替予約、通貨オプション、カバー取引などをする前に行います。貿易取引とFXのマリーについて説明します。

貿易取引とマリー

貿易取引のマリーは輸入代金と輸出代金を外貨のまま相殺します。マリーを増やすには決済通貨の変更、決済日の変更、輸入仕入または輸出売上の追加などがあります。マリーできなかった金額は、為替ヘッジします。

決済通貨の変更

決済通貨の変更によるマリー

外貨建て債権10万ドル、外貨建て債務4万ドルと4万ユーロとします。為替ヘッジの対象は、外貨建て債権6万ドルと外貨建て債務4万ユーロです。外貨建て債務4万ユーロをドル建てに変更します。1ユーロ1.25ドルとした場合、5万ドルとなり、マリーは5万ドル増えます。

決済日の変更

決済日の変更によるマリー

外貨建て債権10万ドルと外貨建て債務4万ドルの決済日が月末締め翌月末とします。為替ヘッジの対象は、外貨建て債権6万ドルです。外貨建て債務4万ドルの決済日を月末締め翌々月10日に変更します。先延ばしされた外貨建て債務が2万ドルとした場合、マリーは2万ドル増えます。

輸入仕入または輸出売上の追加

輸入仕入または輸出売上の追加によるマリー

外貨建て債権10万ドル、外貨建て債務4万ドルとします。為替ヘッジの対象は、外貨建て債権6万ドルです。輸入仕入を5万ドル増やすと、マリーは5万ドル増えます。
外貨建て債務の方が大きい場合は、輸入売上を増やすことでマリーを増やします。

FX取引とマリー

原則固定スプレッドが、インターバンク市場のコストよりも安いのはなぜでしょうか?その理由は、店頭取引でマリーしているからです。店頭取引は投資家がFX会社と直接取引します。FX会社はインターバンク市場の為替レートを参考にして、為替レートを提示します。日本のFX会社のほとんどは店頭取引です。店頭取引は投資家同士でポジションを相殺し、インターバンク市場への注文を少なくしてコストを削減しています。これをマリー(marry)といいます。例えば、ドル円を100円で買った投資家と、ドル円を100円で売った投資家がいたらマリーします。FX会社はマリーによりコストが削減されるので、投資家から受け取ったスプレッドのほとんどが利益になります。インターバンク市場で注文するコストよりも少ない収益で利益を上げられるのは、マリーがあるからです。マリーは投資家の注文数が多いほど、多くできるのでFX会社の利益が増えます。FX会社は投資家を増やすため、他のFX会社よりもスプレッドを狭くして投資家に魅力的な環境を提供しています。
また、マリーは同じ為替レートの反対ポジションだけでなく、さまざまな通貨ペアと価格の注文をまとめてマリーします。

少ない投資家とFX会社のスプレッドとマリーの関係

1ドル100円の時に投資家Aは300万ドルの買い、投資家Bは200万ドルの売りをFX会社に注文します。FX会社は200万ドルをマリーして、100万ドルの買いをインターバンク市場の銀行に注文します。投資家のスプレッドは0.003円で、合計15,000円をFX会社に支払います。FX会社のスプレッドは0.01円で、10,000円をインターバンク市場の銀行に支払います。FX会社はマリーすることで5,000円の利益を得ます。
多くの投資家とFX会社のスプレッドとマリーの関係
投資家の人数が増えると、投資家のスプレッドの支払いが増えます。FX会社はマリーする金額が増えれば、インターバンク市場への注文は少なくて済みます。そのため、他のFX会社よりもスプレッドを狭くしてでも、投資家を増やそうとします。