FXの取引時間帯と1日の流れ

昼と夜

ほとんどのFX業者の取引時間帯は、元旦、クリスマスの一部の時間帯、メンテナンス時間を除いた日本時間の月曜日の午前7時から土曜日の午前7時までです。ニューヨークがサマータイムの時は開始時間は月曜日の午前6時、終了時間は土曜日の午前6時に変わります。ニューヨークのサマータイムは3月第2日曜日から11月第1日曜日までです。メンテナンス時間はFX業者ごとに異なります。メンテナンス時間は午前7時(ニューヨークがサマータイムの時は午前6時)前後に行われます。

FXが24時間取引できる理由は、為替レートがインターバンク市場の相対取引で決まるからです。インターバンク市場は、世界中のネットワークで成り立っていて、取引時間や取引場所は決まっていません。インターバンク市場の取引参加者は、銀行などです。そのため、世界のどこかの銀行が営業している限り、為替レートは動く可能性があります。例えば、イスラム圏のほとんどの銀行は日曜日でも営業しています。イスラム圏では金曜日が休日になる代わりに日曜日は平日になる国が多いです。また、オセアニアの銀行は日本時間の月曜日の午前4時(オーストラリアのサマータイムの場合、午前3時)から営業しています。これらの時間帯は、インターバンク参加者がとても少ないのでFXの取引時間帯に含まれないことが多いです。FX業者の取引時間外で為替レートが動いた場合、週末の終値と週明けの始値が一致しません。これを窓が開いたといいます。

外国為替市場の1日の流れ

外国為替市場の1日はオセアニアから始まり、アジア、ヨーロッパを経由して、アメリカで終わります。為替レートは、インターバンク市場の取引参加者の取引の特徴を反映します。下記の時間は、日本時間です。ニューヨークがサマータイムの場合、下記の時間は1時間早くなります。

オセアニアの時間帯

午前4時頃からニュージーランド、オーストラリアの銀行がインターバンク市場の取引に参加し始めます。これらの銀行は、アジアの時間帯まで前営業日のアメリカの時間帯の為替レートの動きを追随しやすいです。アジアの時間帯まではインターバンク参加者の取引量が少ないので、スプレッドが広く、為替レートの値動きが激しいです。週明けの月曜日は、休日の間に起きたニュースで為替レートが大きく動くこともあります。経済指標は、ニュージーランドは早朝、オーストラリアは朝から昼にかけて発表されます。

アジアの時間帯

午前8時頃から日本の銀行がインターバンク市場に参加し始めます。日本の銀行のドル円の仲値は午前10時に発表されます。日本の銀行は、輸入企業のドル買い注文が多く、手持ちのドルが不足しているとドルを買います。ドル円の買い注文は、仲値を決定する前に出ることがあります。その理由は、仲値よりも安くドルを仕入れ、仲値に手数料を加えた為替レートで輸入企業に売却することで利益が大きくなるからです。輸入企業のドル買い注文は、ゴトー日に多いです。ゴトー日は、毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日です。午後は輸出企業の円買い注文が出ることがあります。日本の銀行は、手持ちの円が不足していると円を買います。輸出企業の円買い注文は、月末近くに多いです。日本の経済指標は、朝から昼にかけて発表されます。

ヨーロッパの時間帯

午後4時頃からヨーロッパの銀行がインターバンク市場に参加し始めます。イギリスの銀行の外国為替取引高は世界1位で、為替レートに大きな影響力があります。実需だけでなく投機の注文も多くなり、ドル、ユーロ、ポンドの通貨ペアが大きく動きます。ヨーロッパの経済指標は、夕方から夜にかけて発表されます。午前1時に欧米の仲値が発表されます。欧米の仲値は、ロンドンフィックスとも呼ばれます。ユーロ圏外への輸出が多いユーロ圏の銀行は、手持ちのユーロが不足しているとユーロを買います。イギリスの銀行は、輸入企業のユーロ買い注文が多く、手持ちのユーロが不足しているとユーロを買います。銀行が多額のユーロを買う必要がある場合、ロンドンフィックスが決まる前にユーロの買い注文が出ることがあります。

アメリカの時間帯

午後10時頃からアメリカの銀行がインターバンク市場に参加し始めます。アメリカの銀行の外国為替取引高は世界2位です。午前2時頃まではヨーロッパの銀行も取引に参加していることが多く、一日の中で一番取引が多くなります。ほとんどのアメリカの輸入企業は、ドル決済で為替リスクがありません。そのため、アメリカの銀行は、投機の注文が多いです。アメリカの経済指標は、夜から深夜にかけて発表されます。アメリカの経済指標は米ドルの強弱に影響を与えます。米ドルは基軸通貨なので、多くの為替レートに影響を与えます。午前7時に外国為替市場の一日が終わります。

各国の通貨が取引される時間帯

各国の通貨は、その通貨国の銀行が営業している時間帯に取引されることが多いです。各国の銀行の営業時間は、各国の証券取引所が開いている時間帯とほぼ重なります。各国の銀行がインターバンク市場に参加する時間に決まりはありません。しかし、各国の時差によりこのような傾向があります。各国の証券取引所の立会時間は下記の通りです。

各国の証券取引所の立会時間

サマータイムの各国の証券取引所の立会時間