直物為替レートの決まり方

円とドルが握手

為替レートには直物(スポット)と先物があります。よく見るのは直物為替レートです。また、直物為替レートは変動相場制と固定相場制があります。日本は変動相場制で市場が直物為替レートを決まります。固定相場制は市場ではなく、中央銀行が直物為替レートを決めます。

目次

市場レートの決まり方

直物為替レートは顧客レートです。顧客レートはインターバンク市場の銀行間レートにスプレッド(為替手数料)が加算されます。直物為替レートはインターバンク市場の需要と供給により決まります。需要は買い注文、供給は売り注文です。直物為替レートは、買い注文が売り注文より多ければ上がります。逆に売り注文が買い注文よりも多ければ直物為替レートは下がります。売買が成立した時の直物為替レートの変動幅は市場の流動性により変わります。

為替取引は買値と売値が同じであれば成立します。インターバンク市場の銀行などは買値(Bid)と売値(OfferまたはAsk)の両方で建値します。買値と売値の差はスプレッドといい、通常は1銭程ですが、市場の流動性により変動します。成立した取引価格は市場レートを形成します。市場レートは多くの成立価格の平均値に近いです。

買い注文と市場レートの上昇の図

市場レートが100.05-06の時にA社が100.06で多額の買い注文をしました。売買が成立すると、市場レートは100.06-07に上がります。

売り注文と市場レートの下落の図

市場レートが100.05-06の時にB社が100.05で多額の売り注文をしました。売買が成立すると、市場レートは100.04-05に下がります。

クロスレートの計算方法

クロスレートは米ドルとの為替レートを基準にして決まります。クロスレートは通貨ペアの片側が米ドルでない為替レートです。クロスレートの計算方法は、まずそれぞれの通貨の1米ドル当たりの金額を計算します。通貨ペアの左側が米ドルであればその為替レートが1米ドル当たりの金額です。例えば、ドル円が100であれば、1米ドル当たり100円です。通貨ペアの左側がユーロ、ポンド、オーストラリアドル、ニュージーランドドルであればその為替レートはこれらの1通貨当たりの金額です。例えば、ユーロドルが1.25であれば、1ユーロ当たり1.25米ドルです。これを1米ドル当たりに換算すると0.8ユーロです(1÷1.25=0.8)。

次にクロスレートの右側の1米ドル当たりの金額をクロスレートの左側の1米ドル当たりの金額で割ります。例えば、ユーロ円は125円です(100÷0.8=125)。これは1ユーロ当たり125円という意味です。

なぜクロスレートの計算に米ドルが必要なのでしょうか?その理由は米ドルが世界の基軸通貨であり、米ドルとの取引が成立しやすいからです。基軸通貨は一番よく使われる国際通貨です。世界の2019年4月の1営業日当たり平均直物取引量の内、42.4%は米ドルとの取引です。世界の通貨ペアの直物取引量の詳細は下記の記事をご覧ください。

BIS headquarter building

世界の通貨ペアの取引量

2018年12月22日

為替レートの具体的な変動要因

為替レートの具体的な変動要因は大きく分けると実需、投機、介入です。実需は貿易取引、資本取引です。資本取引は証券投資と直接投資が中心です。為替ヘッジをしている場合は資本取引は為替レートの変動要因ではありません。資本取引と投機は投資資金を回収するときに反対売買をするので、投資期間に応じた為替レートの変動要因です。貿易取引は反対売買をしないので長期的な為替レートの変動要因です。為替レートの具体的な変動要因の詳細は下記の記事をご覧ください。

為替レートを見て悩む人

為替レートの具体的な変動要因とは?

2019年1月22日
円とドルが握手