直物為替レートの決まり方

直物為替レートはインターバンク市場の需要と供給により決まります。需要と供給により価格が決まる価格メカニズムの理論も説明します。

市場レートの決まり方

為替レートには直物(スポット)と先物があります。通常目にするのは直物為替レートです。直物は売買契約日から2営業日後に通貨の受け渡しがされます。先物はこの期間を過ぎて通貨の受け渡しがされます。
直物為替レートはインターバンク市場の需要と供給で決まります。インターバンク市場は銀行同士が取引する市場です。銀行の間にブローカー(仲介会社)が入ることもあります。直物為替レートは銀行、仲介会社、FX会社などのマーケットメーカーの売買が成立すると変動します。買われると上がり、売られると下がります。マーケットメーカーは買値(Bid)と売値(OfferまたはAsk)の両方で建値します。買値と売値の差はスプレッドといい、通常は1銭程ですが、市場の流動性により変動します。

買い注文と市場レートの上昇の図

A社がドル円を100.06-07で建値したとします。これは100.06の買い、100.07の売りという意味です。市場レートが100.05-06になったら売買が成立します。そして、100.06-07に市場レートは上がります。

売り注文と市場レートの下落の図
B社がドル円を100.04-05で建値したとします。これは100.04の買い、100.05の売りという意味です。市場レートが100.05-06になったら売買が成立します。そして、100.04-05に市場レートは下がります。

直物為替レートは、需要(買いたい人)が供給(売りたい人)より多ければ上がります。逆に供給(売りたい人)が需要(買いたい人)よりも多ければ下がります。例えば、ドルの需要が供給よりも多いとドルの価格は上がり、直物為替レートはドル高になります。売買が成立した時の直物為替レートの変動幅は市場の流動性により変わります。
ドル高と円高の両方が発生した場合のドル円はどうなるのでしょうか?円高がドル高よりも強ければドル円は下がります。逆にドル高が円高よりも強ければドル円は上がります。直物為替レートの変動を理解するには2つの通貨の需要と供給を把握する必要があります。直物為替レートの変動要因は下記の記事で説明していますので、宜しければご覧ください。

為替レートの変動要因

2019年1月22日

価格メカニズム

価格メカニズムは需要と供給と価格の関係を説明するもので、経済学の基礎となる理論です。価格メカニズムが機能するには以下の条件が必要です。

  • 買い手(需要)と売り手(供給)が多数存在する
  • 個人で市場価格を決められない
  • 商品の品質、内容、価格について十分な情報がある
  • 商品は全く同じである
  • 市場への参入、退出が自由である

需要

通貨の価格が高いと需要は減ります。逆に通貨の価格が低いと需要は増えます。これは右下がりの曲線(需要曲線)で表せます。

需要曲線
買い手(需要)はりんごが200円の時は10個しか買いたくありません。50円の時は100個買いたいです。

供給

通貨の価格が高いと供給は増えます。逆に通貨の価格が低いと供給は減ります。これは右上がりの曲線(供給曲線)で表せます。

供給曲線
売り手(供給)はりんごが50円の時は10個しか売りたくありません。200円の時は100個売りたいです。

均衡価格

価格が高い時は需要は少なく、供給は多いです。よって、売れ残りが生じます。売りたい人は価格を下げて売ろうとします。価格が低い時は需要は多く、供給は少ないです。よって、品不足が生じます。売りたい人は価格を上げて売ろうとします。
売れ残りや品不足にならない価格を均衡価格といいます。価格は上下に変動しますが、売りたい人や買いたい人の思惑を通じて均衡価格に向かいます。均衡価格は需要曲線と供給曲線が重なる点です。

需要曲線と供給曲線
価格が200円の時は90個の売れ残りが生じます。そのため、価格を200円より下げて売ります。価格が50円の時は90個の品不足です。そのため、価格を50円より上げて売ります。

為替レートの均衡価格は一般的には購買力平価です。購買力平価と為替レートについては、下記の記事で説明していますので宜しければご覧ください。

購買力平価説と為替レート

2019年2月3日